ボートに乗った時の不安定感を体験できるVRコンテンツを、
UnityとPS Moveを利用して製作しました。
このコンテンツは2014年7月に東京大学制作展EXTRAにて展示したものです。
概要
湖に浮かぶボートの上からの一人称視点を見ながら、ユーザーには2本の指で水に浮かぶ球をコントロールしてもらいます。
二本の指で立つというところがポイントで、
これを人の二本の足と錯覚すれば、あたかもユーザー自身がボートの上に立っているかのような感覚が生まれる…ことを狙っています。
デバイス
指に物理的なフィードバックを与えるという役割を果たします。
外観はこんな感じです。
水の入った容器に、球が浮いています。
この球の中にPS Moveが固定されており、球の回転量をセンシングしています。
ちなみにPS Moveは加速度、ジャイロ、地磁気の3種のセンサが含まれて、さらにBluetooth通信も行える安価なセンサなのでオススメです。
球にはおもりも固定されており、回転してももとの姿勢に戻ろうとします。
この球の上に2本の指を置いて、ユーザーには球をコントロールしてもらいます。
PS MoveとのBluetooth通信
球は水が入らないように完全に閉じてしまうので、PS MoveとBluetoothで通信しました。
Windows PCとPS Moveのペアリングはうまくいく可能性が低いです。
MotioninJoy(http://motioninjoy.jp.uptodown.com/)を使用するとペアリングの確率が上がるのですが、Unityで認識しないので避けます。
ペアリングを自分で行うよりも、iPI Recoder というアプリケーションの中でペアリング設定すると割りと簡単に接続できます。
接続できたらあとはUniMove
Copenhagen Game Collective – an experimental games collective - Unimove
を導入するとPS Moveの色々な機能が使用できます。
このコンテンツではジャイロしか利用していませんが…
視覚的なフィードバック
球の回転に応じて、ボートの上に立っているアバターの視点を回転します。
視界はこんな感じです。
考えていたこと
ユーザーには指で球をコントロールしてもらうのですが、そのために球を押すと水の反力が返ってきて、思いのほか上手くコントロールできないはずです。
この二本の指で球をコントロールする難しさと、ボートに乗っているときの二本足でバランスをとる難しさの感覚がシンクロして、
あたかもその空間にいる感が強まることを狙っています。
また映像空間の中のボートが、現実空間ではそのまま球に置き換わっています。
下には水があって、その上に浮かんでいるものの上に立っている感覚も共通です。
実際に指を球に置くと、目でみなくても球のしたに水っぽいものがあるのがわかります。
実際にこれと同じものを人間の足で再現しようとすると、機構が非常に大きくなってしまうのですが、それを指のスケールで実現できたら省スペースになりますよね。
このまま封印してしまうのも、勿体無いのでOculusに対応させて、Ocufesとかに出そうかなー
実は指で空間を歩けるコンテンツも作ったので、また紹介します。