スコープが違うと査読後に言われるのがツラいのでPresubmission enquiryを積極的にやっていきたい

私は最近、学際的なトピックを扱った研究を1つ扱っている。具体的には、人の持つ「何かを触りたい」という気持ちを調べているのだが、このトピックは単純に心理的な側面だけに関係するのではなく、皮膚と何かの接触現象という物理的な側面や、触る人の特性や文化などの影響を受ける社会的な側面や、「触りたさ」の知見に基づき人の心に響く触覚提示装置を作るという工学的側面にも関係している。このように、複数の側面と密に関係するトピックのため、研究の貢献をシンプルに記述するのが難しい(というかシンプルに記述するともったいないという気持ちがある)。一方で、複数の側面での貢献を記述すると、例えば工学的なジャーナルに投稿したときに、「あ、これは社会的な側面の貢献が大きいから、この(工学的な側面を主に扱う)ジャーナル向きじゃないよ」とリジェクトされることがある。というかリジェクトされまくっている。デスクリジェクトならよいけど、数か月の査読期間を経た後に「スコープが違うね」みたいな感じでリジェクトされると、その時間はなんだったんだ...?どめにこ、という気持ちになる。

このような、査読後にスコープ違いを理由とするリジェクトを受ける可能性を減らしたいと切実に感じていたところ、Presubmission enquiryというやり方があることに(ついに)気づいた。これは投稿前に、「これこれこういう論文を書いている。あなたのジャーナルにこういう理由でfitしていると考えているけど、本当にfitしてるかどうか確認させてください」とジャーナルのEditor-in-chiefにメールで聞くだけだ。今のところ何件か問い合わせを出してみたところ、どのジャーナルも数日くらいで返事が返ってくる。みんな驚くほど仕事が早い。返事の幅はもちろん結構あり、「めちゃfitしてる」「うーんまあfitしているけど、もう少し補強が必要だね」「この資料を見るとスコープの適合性が分かるよ。確認してね(fitしてないよ)」など親切に教えてくれる。「めちゃfitしてる」という返事が返ってきたら、そのことをカバーレターに添えて出せばたぶん、査読後のスコープ違いのリジェクトは少し可能性が減るのではないだろうか。まだこの方式でうまくいくか、検証している途中なので、うまく行くか本当のところは分からないけど、学際的なトピックを扱う人にとっては結構よいやり方だと思った。