IEEE World Haptics Conference 2019にて素材の静止摩擦係数の知覚を視触覚間相互作用により変化させる手法を発表しました

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まとめ

  • 静止摩擦感を提示するためには,従来は専用ハードウェアを追加しなければならなかった
  • 本研究は視触覚間相互作用により,素材表面の静止摩擦を生起・変化させることを提案.
  • 心理物理実験により生起確率とその強度を検証.
  • IEEE World Haptics Conference 2019にて発表. arXivにも掲載

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背景だけ説明

振動触覚提示は,何かものに触れたときの表面の粗さや硬さ等の質感を表現する代表的なやり方であり,長らく研究されている. 近年では振動提示機能付きのスマートフォンタブレット等の廉価なモバイル端末が登場しつつあることもあり, これらのデバイスで振動による素材の質感提示を表現として取り入れたアプリケーションの登場が期待される.

そのような背景のもとで,次に課題になると考えているのが (1) 質感提示のための振動設計の生産性を向上することと (2)振動による質感表現の限界を超越することである.
(1) に対する解決策としてデザイナー向けの振動設計を自動化するツールを提案してきた(EuroHaptics2018での発表, SIGGRAPH Asia2018でのデモ).

一方の(2) に関しては,これまで質感の中の粗さの次元に関して視触覚間相互作用で粗さ知覚をソフト的に変化させる手法を提案してきた.
引き続き摩擦感に関する手法を提案したというのが今回にあたる.

内容の詳細は論文をご参照ください.

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